CMや予告編、それに公式サイトで見かける「いかにも敵」なオーラを放つ『クラゲ』、それがこの物語最大の脅威、DUX(ドゥクス)です。

DUX(ドゥクス)とは、「人間にとって快適かつ清潔な環境を造り、それを維持する」、環境統括を目的として造られた、高い人工知能レベルを持つ巨大な装置。気候、気圧、大気の酸素濃度等の操作から、触手の使用によるDNA操作までこなし、人間にとって有害な動植物や微生物など「環境に変化をもたらす因子は、すべて除去する」。
そのため、地球の生態系に甚大かつ修正不可能な影響を及ぼすことになり、これが人類の地球脱出の一因となるのですが…、その脱出用の宇宙船団──ニモニック号含む──にも、不測かつ予想外の事態に備えて搭載されていたからタイヘン。オーソリティたちが“記憶の森”の封印を解いた瞬間、このDUX(ドゥクス)までもが甦り、船のシステムを含むすべての環境を自分の管理下に置こうと、侵入してくるのです。

このDUX(ドゥクス)、最初に与えられたプログラムにかたくななまでに忠実で、それゆえ自身の行動を妨害するものはあらゆる手段を使って排除しようとします。ハッキングしたメインコンピューターの記憶からガーディアンの装備を割り出し、彼らの出動を食い止められないと分かるや、今度は彼らが使う『EMPポッド(異常をきたしたシステムを破壊修復する)』を無効化し、あまつさえガーディアンたちに反撃してくるのです。ここが物語最大のピンチ! …なのですが…、
物語をすべて見終わった後に、ふと、「DUX(ドゥクス)もまた、人間のエゴの被害者だったんだよなぁ…」と思いました。

人類が環境統括システムを止め、地球を脱出した後に残された、停止し朽ち果てたDUX(ドゥクス)の巨大な残骸。でもDUX(ドゥクス)はただ、人間に与えられたプログラムに忠実だっただけ。機械が悪いのではなく、それを造り動かす人間の倫理が誤っていただけ…。おそらくDUXの残骸は、人類が脱出する時に地球に残した環境浄化ロボットによって、数百年の間にすべて撤去・分解され、綺麗に消滅してしまっていることでしょう。それって、なんだか可哀想…。とても考えさせられました。

というわけで、周囲のスタッフと話していた『DUXの平和利用(?)』
1) 運動会や遠足の際の「雨よけ」。全長は100,000m〜200,000mととてつもなくデカいので、学校だけ覆ってもらって無事開催!なんて。
2) 小さいサイズのDUXに『環境に変化をもたらす因子は、すべて除去』してもらう───すなわち、街の美化(笑) フリスビーくらいのDUXがあの触手を使ってせっせとゴミを拾っていたらカワイイと思います(笑)って、私だけ?

まぁ、そんな小ネタはさて置いて、コンセプトデザインを担当したシド・ミード氏は、このDUXのデザインをとても気に入っているそうです。確かに登場時、不気味に変化するテクスチャー部は迫力満点! ぜひ大画面で見て、その「脅威」を、そして「邪悪さ」を存分にお楽しみください!

公式特設サイト
http://www.huistenbosch.co.jp/go/

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