勤務中に携帯メール。
イベント好きのウチの両親が、ルフティーバルーンがラストフライトと聞いて乗り納めに来たらしい(^^; まったく、遊びたい盛りなんだから。

ルフティーバルーン。直径22mのヘリウムガス気球。ゴンドラ部の最高度は地上120mでドムトールンよりも高い。・・・いや、高かった、というべきか。
2001年3月に初フライト、2004年5月、ラスト・フライト終了。まもなく製造元のフランスから技術者を招き、デフレーション(ガス放出)を実施、撤収予定。

───ここで、ルフティーバルーンがどういうものかピンとこない方、熱気球とどう違うの?とお思いの方に、こんなシミュレーションを。

釣り竿にセットした糸の先に、イベントなんかでくれる「風船(ヘリウムガスが入っていて、手を離すと飛んでっちゃうアレ)」を繋ぎます。風船は自由にフラフラできるようにしておいて、釣り竿を地面に寝かせます。リールを巻いたり緩めたりすると、風船が上下しますね。・・・それが、ルフティーバルーンの仕組みです。ヘリウムガスの浮力で上昇、地面に設置したウインチでワイヤを巻いて下降。熱もエンジンも使わない、騒音も排ガスもない、いたって自然のままの仕組みです。

自然のままの仕組みだから、自然の状態に左右されます。強風でフライト不可、大雨でフライト不可。台風が来るなんてことになれば、パイロットは命がけで地面に固定したものです。サービス業とはいえ、安全はすべてに優先されます。でもだからこそ、「どうして乗れないの?」「なぜ今日は飛ばないの?」と、お客さまに失望を与えることが多かったのも事実。そういう事情もあって、ハウステンボスはこの度、新しい事業展開を図るためにこのルフティーバルーンの運行を終了する事に決めました。

高所恐怖症のTVレポーターさんをビビらせたこともありました。TV番組の取材で、朝青龍関と旭天鵬関が乗った時には、思いっきり傾いて女子アナを恐怖におとしいれ、そしてパイロットを苦笑させました(片方に固まって乗るからだよ ^^;) 台風の日も、バルーンのアタマにまで雪が積もった日も、腰につけた命綱だけを頼りに、まんまるいバルーンに登ってメンテナンスする命知らずのパイロットたちの姿に、一種感動を覚えたお客さまもいたそうです。

鮮やかな黄色い風船に描かれた、デンマークのグラフィックデザイナー ボー・ベンディクセン氏のポップなイラスト。ミツバチやチョウチョや、イルカに混じって、両手を広げて楽しそうに大空を飛ぶ、男の子と女の子。それは、「美しい地球を美しいままに、未来の子どもたちに残したい」という彼のメッセージ。
風船は消えてしまっても、そのメッセージは消してはいけない。もうすぐ見られなくなってしまうその姿に、そんな事を、思うのです。

これまでのご愛顧、ありがとうございました。
ハウステンボスは、日々、変身中です。

コメント

nophoto
結婚10周年
2014年3月14日22:09

スイート10のプレゼントを考え中。若かった頃を思い出し、結婚前に訪れたハウステンボスに旅行でも行こうかと。強風で気球があがらず、いつか乗りたいと楽しみに今日まで過ごして来ました。子供がまもなく3歳になるので一緒に乗れると検索した結果、まさか、とっくに終了とは(涙)。それでも町並みや雰囲気をゆっくりと楽しみたいとこれから相談しようかな。